失敗から学ぶ力を育てよう
「失敗は成功のもと」とよく言われます。
でも、親としてはつい「できるだけ失敗させたくない」と思ってしまうこともありますよね。
しかし実際には、この“失敗”こそが子どもの成長に欠かせないステップです。
自転車の練習を思い出してみてください。
最初は何度も転び、膝をすりむきながらバランスを覚えます。
痛い思いをしながらも、「どうすれば転ばないか」を体で学び、やがてスムーズに乗れるようになります。
このように、転びながら身につけたことは確実に子どもの力になります。
失敗したとき、子どもは「悔しい」「恥ずかしい」と感じます。
でも、その感情こそが次へのエネルギーになります。
たとえばテストで間違えた問題は、正解した問題より強く記憶に残ります。
「なぜ間違えたのか」と考え直すことで、学びがより深くなるのです。
そして、失敗を乗り越えることで得られるのが“本物の自信”。
成功体験も大切ですが、「うまくいかなかったけれど、また挑戦した」「次はできた」という積み重ねこそが、揺るぎない自信につながります。
1984年夏の甲子園。
PL学園のエース・桑田真澄選手は、取手二高に敗れました。
高校3年間で唯一の黒星です。
しかし彼はその敗北を「ただの一敗」で終わらせませんでした。
2ヶ月後、自ら取手二高を訪ね、「どんな環境で練習していたら、あのようにのびのびした野球ができるのか」を学びに行ったのです。
そして大阪に戻ると、中村監督や仲間と話し合い、チーム改革に取り組みました。
翌年、PL学園は見事に夏の甲子園で優勝を果たします。
失敗を恐れず、そこから学び、行動に移す力。
それこそが、子どもたちの未来を切り拓く本当の力です。
親としては、子どもが失敗したときに「大丈夫、次につながるよ」と支えてあげましょう。
その一言が、挑戦する心を育てます。
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